コラム

ユニクロのギャップ(GAP) 


 みなさん、ユニクロで洋服買ったりします? それとも、GAP? えっ? 高級ブランドしか身に着けない? こりゃまた、失礼いたしました。

 今回は、最近のユニクロって、どうなのよ? という話です。ご存知のように、天才アラーキーこと、荒木経惟を起用しての広告が話題になっているけれど、これでいいのかなぁ、なんかちょっとユニクロのイメージからどんどん離れていくなぁ、と僕は思っているのですが、みなさん、どう思います? え? 高級ブランドしか着ない? こりゃまた、失礼いたしました。

 荒木経惟の写真には、何の文句もない。というより、文句なく良いと思う。
 相変わらず、無表情でつっ立っている永瀬正敏は置いておくとして(松浦アヤヤ(オヨヨ?)の方がまだ表情豊かだ!)、赤いTシャツで凄みと軽みが同居したような麿赤児とか、颯爽とした表情の小池栄子ちゃんの写真は素晴らしい! 小池栄子って、これまでは、ガタイのいいオネエちゃんとしか思っていなかったが、認識を改めました。カッコイイです。すっかりファンになりましたっ!(写真集とかは買わないけどね)

 ただ、外国の人たちの写真を大きなパネルにして店内に飾っている、同業(?)のGAPを完全に意識した最近のユニクロの広告に、僕は首をひねっている。

 当初のユニクロは、人を蹴落としてでもバーゲン品に飛びつきそうな関西弁のオバチャンが登場するCM(覚えてますか?)が象徴するように、中国製であることを曖昧にする有名衣料ブランドを後目(しりめ)に、「中国(人)は、(労働賃金が)安いから、ウチの商品が安いのは当然だ!」とあからさまに言ってしまうダーティな腹黒さ(?)が売りだったはずだ。

 ちなみに、僕が小さい頃はユニクロなんてなかった。
 だから衣料品は、草加(埼玉県)のダイエー(現Dマート・草加店)で買っていた。理由は当然、ユニクロ同様、安かったからである。
 ある日、草加駅の向かい側に、西友がオープンした(その後閉店したが、同じ場所に食料品中心の店舗に生まれ変わる)。ダイエーよりは値段が高めで、オシャレな服が置いてあり、今でいえばGAPのような雰囲気だった。
 ダイエーで気に入った服がないときは、西友へ足を運んで買うというスタイルを続けていた僕だが、現在は、草加の駅前に、マルイと並んでそびえ立つ、あのお店(後述します)で、衣料品全般を買うようになる。

 当時の草加に限ったことではないけれど、ダイエーが西友(西武セゾングループ)をモーレツに意識していた時期があった。西鉄(ライオンズ)時代の本拠地・福岡にダイエーホークスを誕生させたのは、やはり、西武ライオンズの活躍が気になっていたからだろう。

 他の店など、目も暮れず、1円でも安く商品を売ることにひたすら執念を燃やしてきたダイエーが、急速に売上げを伸ばし、ふとまわりを見たとき、若者に人気のオシャレなイメージのセゾングループがキラキラと輝いていた。ウチもあそこのようにカッコイイ企業になろうと思った矢先、例のバブル崩壊がダイエーを襲うこととなる。
 西友に憧れ、よそ見をしたダイエーは、現在、西武セゾングループと同様、苦しい経営状態が続いており、王監督が築き上げてきた若鷹軍団・ダイエーホークスの身売り話もチラホラと聞こえてくる。

 デフレが続く、混迷の日本経済。GAPに憧れ、よそ見をしているユニクロが、あの頃のダイエーとソックリなので、僕はとても心配なのだ(よけいなお世話か)。

 ダイエー、西友の栄華と凋落を、涼しい顔で静観していた企業がある。イトーヨーカドーである。草加駅前にヨーカドーができてからというもの、すっかり僕は『IYブランド』のシャツばかり買うようになった。ゴメンよ、ダイエーと西友。

 ということは、ユニクロ、GAPの広告合戦を静観している『無印良品』こそ、真の勝者となるのだろうか。うーむ。そんなことまで気にしなくていいか。

 一生懸命、額に汗して働いておられる、各企業のミナサマ。
 こんな、お気楽な、消費者でホント、スミマセンです。




GAPの中吊り広告。
アラーキーの
ユニクロの写真と
くらべて
いかがでしょうか?




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